就職活動の時期

 時期ですので、就職活動について振り返ってみようかと思います。

 

 私は2017年入社でしたので、2016年の修士1年の終わりから修士2年の6月まで就職活動をしていました。6月が選考解禁に変わった年ですね。

 私自身はメーカーを志望していたので、私なりの基準を作って、調べて、そこをクリアするな、と思えた企業10社ほどにエントリーしました。マイページを作るのをプレエントリー、志望動機とかを頑張って入力したらエントリーという定義でよいのでしょうか?入社前の大学の同期や、入社後の会社の同期に聞く限り、少し少ない方かもしれません。いやはや、就活は就活用語が多くて疲れますね…。あの一時期しか使わないのに…笑

 

 特に就活塾にもセミナーにもいかず、一応インターンにも一社だけ申し込んではみたけれど、(研究室の先輩に案内されたところだけ…)落ちました!ドクターの先輩がお知り合いになっていたリクルーターさんとお会いする機会もいただいたのに、結局エントリーしない始末。意識低い系だったと思います。ただ、心配性なので、研究室の先輩方が何か聞いてくれたら、好意に甘えて、必ずありがたく受け取ってはいました!どんな準備したらいいの?どんな事調べたの?なに聞かれるの?テストって何やるの?等です。私の研究室では、同期はみんな博士に進学、就職活動をしていたのは私だけだったのもあって、惑わされたり焦ったりしなくて良かった半面、準備は遅かったので、反省しています。隣の研究室の同期が、テストで何点取れるか同期と参考書の模擬テストを一杯やっている間、私はのんきに細胞の写真を撮っていました…。

で、聞いてから焦るという。

 

だいぶ長くなったので、お時間のある方に読んでいただければ幸いです。

 以下は、今振り返ってみて、周りの方から頂いて納得できた言葉と、自分なりに結論が得られた事柄について書こうと思います。

 

1. 所属研究室の教授「このエントリー?した会社から内定が出たら、入社するんだよね?」

 興味のある企業・エントリーするつもりの企業のリストを見せたときです。いやー、当然ですよね。その時は、大学内で企業セミナーがあったので、手あたり次第参加していて、それでなんとなく良いなって思った会社を書いていただけでした。つまり、なーんにも深く考えていなかったのですが、そりゃ内定が出たら入社しようと思えるところだけにエントリーすべきです。そうしたら、一番最初に内定が出たところに行けばいいし、ちょっとざわつく第一志望群とかいう言葉も関係なくなります。全部第一志望。

 教授はアカデミア一本の方で、世間の就活から離れているというか、ある意味ピュアというか、すごくまっとうな意見だと思いました。ある意味当然すぎて、ネットのどこでもそんなの見たことなかった…。就活業界には、テストだけ受けようとか、交通費が出るってみんしゅうで書いてあるところは他社と日程合わせて出しとこうとか、そんなのがまかり通っていますからね。(なんなら、テストの答えを見ながら入力したりなんてのも)私は容量が小さ過ぎて、そういうことを考え出したら、働く場所を得るという目的を達成できなかったと思うので、早めに気づけて良かったです。

 これはのちのち私の中ではけっこう大事な考え方になりました。志望動機に「誠実」とよく書いていたので、この行動基準が、私としては、選考してくださる企業への誠実さだと思ったので、どの場所に行ってもあまりぶれずにいられました。

 

 

2. 修士卒で入社した研究室の先輩「初めてのことなんだからうまくやるなんて無理」

 どうやってうまくやったらいいでしょう?=両立できますか?への答えでした。もともとあまり仕事量をこなせない私が就職活動をやりだしたら、先生や周囲が納得する結果が出せないかもしれないし、間違いなく雑になってしまうだろう…。内定した人は皆うまくやった人たちだろうと思っていたので、びっくりしました。と、同時にほっとして、私は私なりにやろう、と思えた言葉でした。

 学部や学科の文化や、研究室の方針を私なりに考慮すると、就職活動をして、研究室に来ないことはできませんでした。そもそも、私が所属していた研究室は学科内でも博士課程進学率が高く、割と忙しい研究室でしたが、私は私なりに彼らと差がつかないように研究したかったのです。就職活動にかまけてる姿を後輩が見て勘違いしたり、そんな前例を作るのは、お世話になった研究室に迷惑ですしね。もちろんその後40年の生き方の分岐点なので、引っ張られて中途半端にやるのは良くないですが、あくまでその後にやる仕事を得るのが目的なのです。そのために必要なことを必要な分だけ知ったな、と、とりあえず満足できるところまでやるのが私には大切でした。そうは言うものの、毎日同じタンパク質や細胞のことばかり考えて2年、いきなり切り替えられなかった、というのが真相かもしれません。

 

3. 高校・浪人で同期の友人「なんで?って五回聞かれても答える」

 東京で初めて企業のセミナー(それ以降の選考に必須だと明記されていました)で、グループワークがあり、前述のとおりまったりしていた私はびっくりして、面接の準備って何したらいいのって聞いたときの答え。彼女はものすごくバイタリティがあって、いつも学んでいて、私はそんな彼女の姿勢を尊敬しています。

 2の先輩から頂いた自己分析の方法を書いた参考書にもかなり近いことが書いてありました。研究発表の質疑応答について相談した時に、博士卒の先輩からもかなり似たことを言われました。リファレンスがたくさんあるわ、ってことで納得して採用しました!笑

 よくある質問に、できるだけ端的に短く答える、その中心を担う言葉について、なんで?とやって、矛盾したり論理が破たんしないようにそれにまた答える。何度も繰り返しぶつぶつやって、面接のときも焦らず答えられるようになりました。できるだけ嘘が無いように確認できている理屈を、相手が納得できるだけ用意して、それをすぐに取り出せれば良かったのだと思います。ポスター発表や卒論発表会、普段のゼミ等でディスカッションの機会がたくさんあったので、慣れていたのが良かったです。

 余談ですが、所属研究室では、2分、5分、7分、10分と、日本語でも英語でも研究発表を練習する機会がありました。これはかなり役に立ちました!1分間で自己紹介を、2分間で自分の強みを、など言われたのですが、時計を見なくても、2分間ならスライド3枚かな、構成はこうだな、ってのが分量と共にデザインでき、焦ったことは無かったです。何度かやりましたが、全て誤差5秒以内だったのは自分でも驚いて、練習してたことが身になってるなーと小さな自信になりました。

 

 

 今度は、自分なりに結論が得られた事柄についてです。

 意図的ではなかったのですが、選ぶ会社は自由な社風を謳っているメーカーが多かったので、バイアスがかかっているかもしれません。(もはや、自由を謳うのがトレンドなの?と思いました。)ちなみに、職種は営業~開発~研究~総合、業界は食品、飲料、製薬、内資も外資も受けました。この会社ならこう働きたい、とエントリーした結果です。

 

1. 就活スーツは黒か紺の無地が至上なのか。

 ちゃんとTPOに沿った服装ならストライプでもグレーでも全く問題ありません。なんなら、タートルネックにカーディガンだって、場にあった服装なら良いのよ、と某社のリクルーターさんがおっしゃっていました。服装の考え方は就活時には難しいのですが、就活はビジネスの場、相手はお仕事をされているのです。業務中のお相手に会うときに失礼になるような服装はやめれば良いと思います。それがどのような服装かは、会社や業界によって常識が違うので、多少認識の差はあると思いますが、世間のゴールデンスタンダードとなる認識はあるようです。今思えば、選考前のセミナー等で、企業の方の服装を見ておくのも参考になったかもしれません。

 

2. 人事の方へ問い合わせる。

 人事の方は基本的に真摯に対応してくださいます。数少ない私のケースではそうでした。特に、お客さんが手に取る製品を作っている会社はそうでしょう。どんな人でも、同時に製品を手に取る可能性がある人ですからね。ですが、当然メールの先にいる人は忙しくお仕事されていますので、それを考慮して連絡しましょう。メールなら時間はそこまで気にしなくて良いはずですが、きちんとした体裁と言葉遣いのメールをするのがマナーでしょう。最初は心配だったので、社会人の先輩や、研究室の秘書さんに確認していただきました。

 

3. 誰が読むのか聞いても良い。

 研究をしている人ならわかると思うのですが、自分の研究の話は分野外の方にはちんぷんかんぷんです。どんな方が読むのか意識するのは大切だというのは、だれしもご存知かと思います。誰に向けて書いたら良いのか?を知るために、どのようなバックグラウンドの方が読むのか、機会があれば質問したり、メールで問い合わせたりしていました。企業は可能な範囲で答えてくれます。理系の研究出身の人事の方なのか、採用する予定のチームの方なのか、研究のなかの採用担当なのか、文系・営業ときた若手の方なのか…特に最初の方は様々なケースがあります。これは専門的な話をする人にとってはかなり重要な要素です。

 

4. annual reportが参考になる。

 会計とか経営はさっぱりな私ですが、annual reportは参考にしました。細かい数字はそんなに見なかったのですが(良く出てきた単語の定義くらいはちょろっと調べた程度です)、その会社がどんな状況で、そのためにどんな対策をしたか、結果はどう推移したのか。今は長・中・短期でどのような計画のどのステージにいるのか。今後どうしようとしているのか。コーポレートサイトは当然見ますが、そこに飾られているのは基本的に理想と成功です。

 

5. 一緒に気持ちよく働いて利益を出せる人を探している。

 これは私なりの結論なのですが(なので偏っていることをご承知おきください)、企業は、こんな人が、こんな風に働いて、こんな結果を出してくれたら、こういう全体の利益になるだろう、と計画して、そこにフィットする人、そこにはまってもっと良い結果をもたらしてくれそうな人を採用したいでしょう。気持ちよく働いて、の部分は会社・部署・職種によって異なるでしょう。その雰囲気に合いそうな人ということだと思います。それを知るためには、働いている方に伺うしかないでしょう。また、面接に来た学生がそういう人か、一緒に働きたい人かどうかを知るのが面接の目的かと思います。たしかに曖昧な基準で、最終的には運もあるのは間違いないですが、これもある程度スタンダードがあると思います。

 とても局所的ですが、お仕事で必要なことは当然心掛けるとして、私個人が人とかかわるときは、不機嫌を顔に出さない、意見を聞く、根拠のない自信を持たない、を気を付けています。